福井県産の食材で仕上げたさつまいもと梨のスイーツ

収穫の秋。初秋のフルーツでは葡萄、そして梨がポピュラーではないでしょうか?
梨のスイーツというのはあまり馴染みがなく、水分が多くて加工には不向きとされています。
昨年は、地元福井県産の食材としても名高い、梨を前面に打ち出したスイーツを提供しましたが(詳しくはこちらから)、

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今年はシンプルに伝統的なシャルロットポワールに立ち戻っての提供になりました。

そしてもうひとつ。掘れたてさつまいもは地元福井県産あわらのとみつ金時で仕上げたテラコッタポットに収めたスイーツに。秋の味覚の代表、芋栗南京と言わしめる一角を堂々とした美味しすぎる味わいに仕上げました!

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あわらの富津金時のさつまいもスイーツ

さつまいもで仕込むクリーミーなバヴァロア

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さつまいもは地元福井県産、あわらの富津金時をセレクト。
とみつ金時はあらかじめスチームオーブンで加熱処理しておきます。この工程で大切なのは、デンプンの糖化を促すこと。さつまいもの持つ甘みを熱処理ではじめに促しておくことです。
粗熱が取れた金時芋の皮を剥いたら、グラニュー糖と一緒にフードプロセッサーに入れてよく攪拌します。

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牛乳と卵黄、バニラを加えて、ゆっくりと熱を加えながらアングレーズクリームを炊き上げます。

アングレーズクリームについてはこちらで解説しています

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炊き上げたアングレーズにゼラチンを加えてから、目の細かい裏ごしで通します。
さつまいもの繊維質のざらつきのない、クリーミーな舌触りに仕上げる大切なプロセスです。

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氷で冷やしたさつまいものアングレーズとホイップクリームを合わせます。

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もったりとした仕上がりのクリームが完成です。
さつまいも特有のほっくり感とは少し違った趣のある舌触りに仕上がりました。

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出来上がったクリームは、テラコッタポットに絞り出します。
さつまいもと相性の良い、黒ごまペーストを練り込んだスポンジ生地を間に埋め込んでおきます。

オレンジカードの仕込み

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全卵がベースのフルーツカスタード。
英国生まれのレモンカードのアレンジ版です。レモンの持つ酸と、卵による凝固反応を利用したクリームですが、酸味の弱いオレンジの場合、凝固材の力を借りてしっかりとクリームを炊き上げるようにします。

溶きほぐした卵に、グラニュー糖とジェルクレム (スペインsosa社の凝固材。特殊加工のコーンスターチ)をすり合わせて準備します。

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温めたオレンジジュースを注ぎ入れて、一度裏ごしてからカスタードクリームのように炊き上げ、オレンジコニャックを加えて風味を整えます。
伝統的なレモンカードではフレッシュバターを加えますが、ジェルクレムを使用することでバターを使わずともきちんとした乳化状態に仕上げることが可能です。

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さつまいものバヴァロアの上に、冷やしたオレンジカスタードを絞り出して、ビスキュイショコラで作ったスポンジクラムをまぶして完成です。

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とみつ金時のテラコッタポット。テラコッタの器が、お庭の鉢植えであったり、掘りたてお芋が収穫の秋を感じさせるよう、季節感を全体にまとわせる仕上がりを心がけました。
スイートなさつまいもの甘味と、オレンジの相性の良さもぜひ併せて感じ取ってみてくださいね。

梨のみずみずしさを意識した伝統的な洋梨のガトー

冒頭でお伝えした通り、よりフルーティに仕上げることに重きをおいた、2017年のシャルロットポワールを紹介します。

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ポワールムースを主役に組み立てますが、イタリアンメレンゲを配合してさっぱりとした味わいに仕上げていきます。

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ピューレ、生クリームとメレンゲを合わせるシンプルなレシピ構成で。

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洋梨と合わせるパーツとして、センターにはオレンジのはちみつを用いたアングレーズクリームを。生クリームと卵黄、はちみつで炊き上げる濃厚でクリーミーな味わいと、ふんわりとしたメレンゲムースのコントラストが口どけに時間差をもたらしてくれます。
そしてビスキュイパンドジェンヌを底に敷き込んで冷やし固めます。

チョコレートホイップクリーム

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温めた牛乳にゼラチンを加えて溶かし、ホワイトチョコレートに注ぎ入れてガナッシュにしたら、冷たい生クリームと合わせておいて

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削っておいた青柚子の果皮を加えてフレッシュな風味を移します。

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ホイップクリームを絞り出し、完成です。
ホワイトチョコレートはカカオトレース認証のカカオバターで仕上げた、甘さ控えめな味わいのものを。
はちみつのアングレーズと洋梨と、ミルク感に柑橘の風味がバランスよくまとまりを見せてくれています。

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