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いちごの美味しい季節に提供する生チョコとブールドネージュ

アイスクリーム、チョコレート、ムースなどなど。いちごをメインにしたスイーツは実に多種多様、果実としても素材としても頻度の高い日本人が大好きなものではないでしょうか?

今回はいちごのフレーバリングを主体に考え、生チョコレートとクッキーをご紹介します。
冷凍ピューレ、フリーズドライ、セミドライなどを使い分ける際のヒントに活用いただければ幸いです。
もちろん、食べる時の手引きとしてもご一読いただければと思います。

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ホワイトチョコレートで仕込むいちごの生チョコ

その製法、手順、ポイントを踏まえて工程を追っていきたいと思います。

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いちごの甘みと香りがはっきりと際立つマラデボワ種のピューレ、グラニュー糖を一緒に火にかけて温めます。加熱する温度は60度程度に。

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半溶かしにしておいた、ストロベリーのフレーバークーベルチュール、ベトナム産カカオバターを使用して仕上げた、ガーデナーホワイトのブレンドに、いちごのピューレを注ぎ入れて、混ぜ合わせます。

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チョコレートといちごのピューレが馴染んだら、転化糖を加えて火にかけた低脂肪生クリームを注ぎ入れて、再度よく混ぜ合わせます。

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一度このように分離状態になりますが、ゴムヘラを用いて力強く混ぜ込みます。

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ツヤと粘りのある、しっかりとした乳化状態に仕上げます。
この時注意するのが、ガナッシュの状態が40度以上であること。ホワイトチョコレートはカカオマスを含まないため、チョコレートに含まれる粉乳が熱によりこげつきやすくなります。また、作業温度が低すぎるとチョコレートに含まれるカカオバターがうまく分散しないため、乳化状態を形成できないのです。
チョコレートのはてなについて、ペルシュの投稿で触れた記事をご覧いただけます。こちらからどうぞ

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レモン果汁を加えて、手早く混ぜ合わせます。
ここでも注意が必要なのが、レモンの酸と粉乳成分、カゼインが抗酸化してしまい、ザラつきを引き起こしてしまうので、手早く作業します。

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最後にカカオバターを加え、スティックミキサーで攪拌します。
今回使用したのは、カカオバリー社の粉末カカオバター、マイクリオ。

カカオバターがきちんと結晶化した状態で製品化されているのが利点で、チョコレートのテンパリングの工程を大幅に軽減できるメリットを持っているのですが、ここではガナッシュの固さと、カットした時の保形性を考慮したものです。
通常、ガナッシュでは最終製品の口どけをよくする目的で、最後にバターを加えることがほとんどです。
生チョコレートの場合、冷蔵の冷たい状態でも溶けるような口どけを追求するため、冷蔵で固化してしまうバターは不向きなのです。
かといって、いちごのフレーバリングのために「水分」となるいちごのピューレが加わっています。これをきちんとホールドするためには、適度な油分を加えて、ホワイトチョコレートの結晶化を形成する必要があります。
すなわち、カカオバターを加える目的を簡単にいえばゼラチンに近い役割を果たしてくれるからです。ホワイトチョコレートは高い温度帯でのコンディション(乳化に必要な温度帯)が苦手です。粉乳が焦げ付きやすいのが一番の原因だからです。なので、粉末状ですぐに溶けこんでくれるカカオバターはこの工程には最適で、結晶化されているため、温度を高い状態にして乳化プロセスの一端として合わせる必要がないため、いちごの風味などを極力損なうことなく、なめらかな状態の生チョコへと仕上げることが可能です。

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粉糖とフリーズドライストロベリーを一緒にフードプロセッサーにかけて、粉末状にしておきます。

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一晩かけて冷蔵庫で冷やしておいたガナッシュを、ギッターでカットします。
ガナッシュの仕込みで重要なのは、時間をかけてきちんとカカオバターを結晶化させること。前述の保形性はもちろん、口どけの良いチョコレートに仕上げるには、慌てずその特性に合わせて作業することです。

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いちごの粉糖で全体をまぶして完成。

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いちごの味わいのやさしい印象をたいせつにして仕上げた、ミルキーな味わい。クリーミーな口どけがその印象をはっきりと打ち出してくれます。

ブールドネージュをアレンジして仕上げるクッキー

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ストロベリーブールドネージュ

生地の仕込みでは、柔らかく戻したフレッシュバターと粉糖をすり合わせます。

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フールセック(クッキー)で使用する砂糖の使い分けは、グラニュー糖とバターを合わせると「ガリッと」ハードな食感に。
粉糖の場合ではサックリとしたもろい食感になるのが一般的です。

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酸味と赤い色合いが鮮やかなセンガナ種のいちごのピューレ、濃縮いちごエキスを温め、すり合わせたバターに加えて混ぜ合わせます。

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当然、いちごのピューレは「水分」なので、油脂のバターに注ぐとはじきます。柔らかいバターに人肌程度に温めてから少しづつなじませていくのがポイントです。

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噛み応えを意識して、薄力粉と強力粉を同割合でふるったもの、アーモンドパウダーとスキムミルクを加えて混ぜ合わせます。
スキムミルクは、卵を加えない生地なので、乳味の補強に。アーモンドパウダーでリッチさをプラスして。

薄力粉と強力粉をブレンドしている理由は、適度に噛み応えのあるクッキーに仕上げたいから。
よく耳にする話なのですが、半々にブレンドした小麦粉は中力粉として使用してください。と言われますが(表記されていますが)、粉を合わせて生地を練る際、力粉のグルテン形成のそれと、薄力と強力が分散した状態で混ぜ合わせるそれとはまた別物。

つまり、粒子の均一な中力粉のみを使用する事と、細かい粒子の薄力粉、強力粉を合わせて使用するのでは見た目の結果はともかく、焼成後の仕上がりが全くもって違うものになるのです。

具体的にイメージすると、粒子の細かい薄力粉が先に水分を吸着する。

強力粉は薄力粉のグルテンにくっついていくイメージ。

どこまで練りこんでグルテンのコシを出してあげたいか。うどん粉が中力粉の代表です。練って練って、しっかりとしたコシを出すわけでもないので、どの食感をイメージしてあげるかが重要です。サックリなのか、カリッとなのか、ガリガリなのか。おかし作りで(特にクッキー)中力粉の表記がある場合、強力と薄力粉のブレンドで問題ないですが、過度に混ぜすぎないよう、注意しましょう。

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丸く整形した生地を休ませ、切り分けます。
等間隔に並べたら、150度のオーブンでゆっくりと焼き上げます。

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ここでも焼き上がりにはいちごの粉糖を使って、熱いうちに粉糖の中にクッキーをくぐらせ、その熱で付着させて糖衣させるのです。

意外にもしっかりとした歯ざわりに、もしかすると違和感を一瞬感じるかもしれません。しかし噛み砕くと意外にも脆く、いちごの味わいや香りが広がっていくのです。

関連リンク カカオバリー マイクリオの詳細はこちらからです

ベトナム産単一品種カカオ使用のショコランテガーデナーについてはこちらからどうぞ

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