ヘーゼルナッツとミルクチョコレートを組み合わせた、ジャンドゥーヤが主役のお菓子たち

ヘーゼルナッツは、ローストして食すには少々味気ないというか、日本人に馴染みのない味わいというのでしょうか。薬草のような妙な風味がしたり、焦げ付いたようななんだかおいしさの理解に苦しむようなところがある。なんて言われても仕方がない気もします。

しかし、きちんとした焙煎と、提案の仕方によって、そのおいしさの幅は本当に広く、柑橘類やチョコレートとの相性も計り知れないところです。
今回はヘーゼルナッツとミルクチョコレートを組み合わせて作る、ジャンドゥーヤのさらなる可能性を探りたく、プティガトーの組み立て、完成へこぎつけました。

 

チョコレートブランド各社が提供する既製のジャンドゥーヤではなく、ロースト加減から自分の好みで焙煎し、ペースト状に加工した(写真右)ものと、任意のミルクチョコレート、糖分や硬さも調整して仕上げた自家製のものを使用します。
一般的なジャンドゥーヤはヘーゼルナッツペーストに対して、1.5倍量程度のミルクチョコレートを加えます。ペルシュでも同様の比率でチョコレートをブレンドします。

ミルクチョコレートはタンザニア産の、シナモン香を感じるクリーミーなDOMORI社のものをセレクト。ジャンドゥーヤに仕上げてから適正にエージングさせるとヘーゼルナッツの旨味とより馴染んでいくような感じがします。

ヘーゼルナッツを用いた定番のクッキーも含め、今回はヘーゼルナッツを主役にしたスイーツの紹介です。

 

晩秋を迎え、収穫が旬を迎えた、みかんを組み合わせること。ヘーゼルナッツを丸みのある柑橘の味わいと組み合わせることで、一味違った印象を感じ取っていただけるのでないでしょうか。ヘーゼルナッツと柑橘の組み合わせは好相性。
アールグレイ ジャンドゥーヤ はベルガモット風味の紅茶の味わいと香りを活かしたチョコレートスイーツです

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ジャンドゥーヤとアールグレイ

アールグレイ風味のアングレーズクリーム

アングレーズベースを使用することのメリットは、ムースの味わいに濃厚さを加えたい時に、特に有効な組み立てです。主に秋冬向けのリッチな味わいでスイーツを構成していく場合。フレーバーティの代表格、アールグレイ茶葉を熱した牛乳に入れて、5分程度抽出します。

茶葉を裏ごし、香り出しをして不足した、配合分の牛乳を計量し直します。茶葉が吸水する量はその都度まちまちなので、きちんと計量することが必要です。

アールグレイの抽出液と、グラニュー糖とすり合わせておいた卵黄を合わせてアングレーズクリームを煮上げます。
*アングレーズクリームについての詳細についてはこちらにて詳細を記しています。

ジャンドゥーヤとアングレーズクリームを乳化状態になるように混ぜ合わせて冷やし、ホイップクリームを加えてなめらかに混ぜていきます。

チョコレートムースを仕込むときに注意する点で、アングレーズベースの場合は卵黄の凝固力も関係して、ゲル化が早まります。チョコレートベースとのミキシングの際は最適な温度帯で混ぜ合わせることが重要です。出来上がったムースはシリコン型に絞り出して冷やし固めておきます。

から焼きしたタルトには、テンパリングしたミルクチョコレートを薄くシュミゼしておきます。
クリスピーな食感を組み合わせるため、プラリネとペーストのノワゼット、ミルクチョコレートとバターを一緒に溶かしたベースに、刻んだヘーゼルナッツとサブレフレークを混ぜ込みます。さらに果実味を引き出すためにみかんのマーマレードを加えます。どっしりとしたチョコレートの印象に柑橘の味わいが加わることで軽い印象の味わいに変化します。

マンダリンオレンジと柚子のジュースをブレンドしてフルーツカスタードを炊き上げます。
みかんの味わいは、甘くて丸みのある柔らかなイメージ。ちょっぴりスパイシーな柚子を組み合わせて、キリッとした調和を目指します。

卵とグラニュー糖と一緒にカスタードクリームのように火にかけ、炊き上がったところにフレッシュバターを加えて仕上げるのです。

ヘーゼルナッツプラリネと細かく挽いたアールグレイ茶葉を練り込み焼き上げたビスキュイ、前述のクリスピーをタルトに配していきます。
型から外したジャンドゥーヤムースをセットして、再度冷やし固めておきます。

ムース全体にプラリネノワゼットで仕込んだグレーズを上掛けして仕上げます。
ヘーゼルナッツと柑橘のバランスは半々といったところでしょうか。そこにはアールグレイのベルガモットのアロマも含まれてのことです。ジャンドゥーヤのムースは濃厚な配合で組み立てていますが、紅茶の香りと味わいをプラスすることで違った印象に。ベースとなるタルトも全体のバランスを考慮しての組み立てです。

少々欲張りな、旬の果実と自分の好きなパーツを組み合わせての新作となったのですが、ジャンドゥーヤのおいしさとそのポテンシャルを追求したくてのことです。
いろんな素材をイチから手作りすることにもこだわりを持って通り組んでいます。

ヘーゼルナッツとチョコレートのクッキー

パートサブレショコラの仕込みは、通常のシュガーバッター製法とは異なる、フラワーバッター製法を採用。小麦粉、粉糖、カカオパウダー、ヘーゼルナッツパウダーとバターをすり合わせながらサブレ状に。解きほぐした卵を加えて仕上げます。グルテンが出にくい製法で、クッキー類の生地の仕込みでは多用されます。
ヘーゼルナッツパウダーは皮むきのものを使い、ナッツの香りよりも味わいを意識した配合です。
一晩休ませてから延ばし、160度のオーブンで焼き上げます。

キャラメリーゼしたヘーゼルナッツを粗めに挽いて、DOMORI社、マダガスカル産ミルクチョコレートとブレンドしたジャンドゥーヤをサンドします。

サブレショコラノワゼット。ヘーゼルナッツの有名なトルコの世界遺産、パムッカレにちなんで、ペルシュのキッチンではこちらの呼び名で通称しています。ホワイトチョコレートでトランペした姿が「綿の宮殿」のコットンホワイトを彷彿させるからです。
コキーユに並び、クッキーの中でも1、2位を争うアイテムです。

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