旬の洋梨、フランス菓子らしさを詰め込んだムースで表現します

洋梨のケーキ。日本でフランス菓子が普及した時、シャルロットポワールというお菓子が流行りました。「ウィリアムポワール」 と呼ばれる洋梨のブランデーを入れたり、ビスキュイアラキュイエールという別立てのスポンジ生地で全体を覆ったビジュアルが「貴婦人の帽子」をイメージして作られたものである。という逸話もすごく有名です。

シャルロットポワールの製法をまとめたペルシュの動画チャンネル(レシピと製法のテキストあり)です。

少し前、と称しているのは30〜40年前に流行ったお菓子。ヌーベルキュイジニエ、として新風を巻き起こした時期です。当然ですがそのまま当時のリメイクではなく、現代風に軽い食感であったり、強いアルコールの香気を感じさせないもの。現代の味わいの風潮はやさしい印象のものが主体ですね。けれども当時のままのクラシックなビジュアルに関していえば前衛的に映ったりもするので不思議なものです。

今回のお菓子の主役、日本で洋梨といえばラフランス。一方、ヨーロッパではウィリアムが香り豊かで製菓用で最もニーズの高いものだと思います。洋菓子としてのスタンスで今一度お菓子作りを現代風にアレンジしていくに当たって、ありし日のこだわりにおいても同様に今から紹介させて頂く、新しいアイテムの中に取り入れていければと思います。
今回はコーヒーと洋梨の組み合わせで少し意外性を感じさせる部分もありますが、レグリス、ホワイトチョコレートも組み合わせることでモダンな仕上がりにもなりました。

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ヌーベルパティスリーにさらなる新しさを加える

レグリス。日本では甘草と呼ばれ、漢方のイメージが強いそれですが、ヨーロッパではお菓子の甘味付けにしばしば登場するのです。

今回レグリスは棒状のものをそのまま使用します。

オーブンでローストしておいたコーヒー豆(エチオピア)をあらかじめレグリスを入れて煮立たせておいたお湯の中に入れて、蓋をして2時間程置いて香りを抽出させます。

溶かしておいたホワイトチョコレートに、裏漉してゼラチンを加えた抽出液を注ぎ入れてガナッシュの様に混ぜ合わせます。
さらに液状の生クリームを加えてなめらかに整えたら、型に流し込み冷やし固めておきます。

洋梨のコンポート

グラニュー糖、水あめで熱したシロップを作り、その中にダイス状にカットした洋梨を加えてコンポート状(しんなりとするまで)概ね30分、煮込んでいきます。
今回は長野県小布施町から届いた早生のオーロラ種を使用しました。

ウィリアム種洋梨のピューレを加えて、粉末状のレグリスを加えて一煮立ちさせたら火から下ろし、冷やしておきます。

ムースポワール

コンポートでも使用したウィリアムポワールピューレ、イタリアンメレンゲ、泡立てたホイップクリームを混ぜ合わせふんわりしたムースクリームに仕上げます。

冷やし固めておいたコーヒーとレグリス風味のホワイトチョコレートクリームの上にムースを広げて、コンポートした洋梨を散らします。

アーモンドスポンジを敷いて、再度ムースを広げたら、サブレクランブルを全体に散りばめ、もう一枚のアーモンドスポンジで蓋をします。

 

切り分けてからホワイトチョコレートのグレーズで全体を覆い、切り分ければ完成です。

レグリスの役割は主張ではなく調和。主張の強いコーヒーの酸味と苦味をマイルドに。レグリス自体は洋梨との相性も良いのでコンポートにも取り入れています。コンポートでは果肉の水分を飛ばし、しっかり煮詰める「調理」を施すことで味わいを凝縮させました。ぜひ一度体験してもらいたい仕上がりです。

 

 

栗のシブースト

 

ペルシュでは年間通じて様々なフレーバーのシブーストを提供してきました。

秋味、栗づくしのタルトシブーストを簡潔に紹介します。

焼き上げたサブレにミルクチョコレートをシュミゼ、ブロンドチョコレートガナッシュ、アングレーズマロンを流し入れて、あらかじめ仕込んでおいたシブーストマロンをセットします。4回に分けてグラニュー糖をキャラメリーゼ。分厚い飴の層はシブーストを語る上では欠かせません。

シブーストのバリエーション一覧をご覧ください。こちらから

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