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チョコバナナにパッションフルーツとコーヒー。ブラジル育ちの食材でペアリングさせる試み

味わいとして感じる「フレーバー」、そして風味として感じる「アロマ」。
このふたつの「味覚として感じる要素」をそれぞれに分解する。少々難解でもありますが、味覚トレーニングを行えば徐々に身につくことと思います。

今回紹介する新作、ショコラマジックバナーヌは、食べ進めるごとに味わいがどんどんと変化していく、どんな仕掛けが潜んでいるんだろう?と思ってしまう、謎掛けにも似た不思議な味わいを含んでいるのです。
チョコレートのトレンドとして、ビーントゥバー(bean to bar)が大きな話題となり、特定のカカオ豆を板チョコにして味わうことに特化するカタチです。

今回はヴァローナが開発した新技術「ドゥーブル・フェルマンタシオン(二重発酵)」によって作られたもので、カカオを発酵させる過程でフレッシュフルーツのジュースを加え、カカオ自体のアロマのポテンシャルをさらに強く引き出しています。詳しくはこちらのリンクから

パッションフルーツの風味に留まらず、いろいろなアロマとフレーバーが広がるこの革新的なショコラを分解すると。。。もちろん小難しい話は一切抜きにして純粋に味わっていただけます!

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ビーントゥバーのテイストノートを反映したショコラのメニュー構成

タルトショコラの仕込み

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柔らかく戻したバター、自家製プラリネアマンドを合わせて仕込む、タルトダマンドショコラ。

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カカオパウダー、バレンシアアーモンドパウダーを合わせて、バナナのようなトロピカルフルーツの香りを彷彿させる、ジャマイカラムを加えて風味立たせます。

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あらかじめ伸しておいた、サブレショコラに生地を流し入れてこんがりと焼成します。焼き上げたタルトダマンドショコラは冷ましておきます。

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ガナッシュの仕込み。
ここでは同じブラジル産カカオ豆、マカエを用いてガナッシュナチュールを仕上げていきます。

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コーヒー豆にも似た、酸味のトーン。そして焙煎香。さらにはナッツの種子系をニュアンスさせる、カカオの味わいを極力ダイレクトに伝えるべく、シンプルにフレッシュクリームのみを加えて仕上げたガナッシュを、タルトダマンドショコラの上に流し込みます。フレッシュバターを加えず仕上げたガナッシュは、口どけのスピードも早く、ムースリーヌのように空気を含ませないことで、口の中での余韻も長く感じ取ることができます。

バヴァロアバナーヌを仕込む

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基本のアングレーズクリームの仕込み。牛乳と卵黄を温めて加熱処理を行います。

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炊き上げたアングレーズを直ぐに裏ごしながらバナナのピューレに注ぎ入れます。
バナナのピューレは、南米エクアドル産のものを。オレンジのような甘い柑橘の香りと味わいをほのかに感じ取れる、フルーティさが特徴。今回は同じ南米大陸であることももちろん、カカオ豆を果実味として感じることができる。その時に味わいとして広がるのが、バナナのようなトロピカルフルーツのネクターフレーバー。ここにもショコラの味わいを表現しています。

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ホイップクリームとバナナアングレーズを合わせて、ガナッシュマカエの上に流し入れます。

コーヒー風味のパッションフルーツクリームの仕込み

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フレーバーとして表現するのは、パッションフルーツ。そしてブラジル産コーヒー豆を鍋で炒るように熱して、香り立たせてからジュースを加えて火にかけます。

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軽く一煮立ちさせたら火から下ろして、一晩かけて香りを抽出します。

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翌日、コーヒー豆を裏ごしたら再度火にかけ温めます。

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あらかじめ溶かしておいたホワイトチョコレートに温めたパッションフルーツのジュースを加えて乳化状態に仕上げていきます。

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チョコレートとジュースを全て混ぜ終えた状態。酸味の強い物と乳を合わせる時に最も注意を払わなくてならないのが乳の抗酸反応。強い乳化状態を形成していくことで、ザラつきを抑制することができます。乳化作業が改めて必須であることがわかることと思います。

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ふんわりと泡立てたホイップクリームをゴムヘラを使って合わせていきます。

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パッションフルーツのアロマオイルを加えて、ムラのないように丁寧に混ぜ合わせます。

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パッションフルーツクリームの出来上がり。アロマオイルにしたパッションフルーツの香りは、甘くフルーティ。果実味豊かな味わいを連想させます。酸味として突出したイメージが強いパッションフルーツですが、レモンに例えられるような酸味とはまた違った印象であることを感じ取ることができます。意図的な果実香を忍ばせ、より香りの奥行きを表現しています。

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あらかじめ仕込んでおいたバヴァロアバナーヌに沿わすようにクリームを絞り出します。

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仕上げには溶かしておいたイタクジャとフレッシュクリームを合わせて

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泡立てたホイップクリームを

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バヴァロアバナーヌの上に絞り出します。

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断面は多層構成ながら地味な印象です。

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今回の主役といえるショコラは薄いディスク状に伸ばしたものをそのまま口の中の体温でゆっくりとか仕込むように食べていただくことが真の狙いと言えます。ドライのバナナをデコールで添えていますが、甘みとして感じるはずのそれが、フルーティな酸味をまとった味わいとして表れたり。。つまりは食べる順番を変えるだけで印象が変わるのも、このショコラマジックといえるわけです。

カカオらしい味わいの力強さの後に感じられる、甘みの香りの余韻の長いフルーティなパッションフルーツ。カカオの酸味と交わりを見せることで、次第に焙煎したコーヒー豆のトーンが現れて来つつ、終盤は再びフルーツの味わいを醸し出す。それは少し早熟なアップルマンゴーやエクアドルバナナのすっきりとした印象を残した味わいとも表現出来る。これらを一つのお菓子にまとめた。というのが今回のお菓子の全体構成なのです。

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