夏らしいレモンを用いたスイーツは、レアチーズと組み合わせて

レモンに代表されるように、夏の暑い時期には酸味の効いたものを食べたいという欲求に駆られます。
夏になると辛いものを食べて、発汗を促し、汗をかくことで体温を下げるという効果が期待できるため。そんな話はよく耳にするかと思いますが、では酸味のあるものを欲するワケとは?

 「酸っぱいものにはクエン酸(酢)が含まれます。体内に乳酸がたまると疲れると言われており、その乳酸を代謝させるためにクエン酸が必要です。そのため、『疲れると酸っぱいものが食べたくなる』と言われているようです」

 暑いときには、無駄なエネルギーを使うもの。エアコン完備の室内にいても、外との温度差が体に負担をかける。夏場はそうした疲れがたまるため、酸っぱいものが欲しくなるのではないかと言う。

ふんわりとした軽い口どけのお菓子は、食べやすさの上では、今の時期に一番マッチするように思います。それと同時に、エネルギー源としても濃厚なものも同時に摂取したい。

レモンとチーズの美味しい関係を、夏場に提供するという目論見で提供すべく構成した新作です。

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レモンとチーズを組み合わせたミルフィーユ

生クリームを使わず、ふんわりと仕上げる伝統的なスイーツの代表、シブーストクリーム。
イタリアンメレンゲとカスタードクリームを合わせて仕込む、トラディッショナルな構成。最近のシブーストクリームは生クリームを加えたリッチなタイプのものが多いのですが、ここでは伝統的なレシピに乗っ取り、生クリームを使わない、ふんわりとしたタイプのものを仕込みます。

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温めた牛乳と、グラニュー糖を擦り合わせた卵黄に小麦粉を加えたものを混ぜ合わせて、カスタードクリームを炊き上げます。

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ホイッパーで鍋底が焦げ付かないように絶えずかき混ぜていきます。画像のようにクリームが固化してきたら、よりしっかりと混ぜていき、カスタードクリームを炊き上げます。

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カスタードクリームが炊けたらゼラチンを加えて裏ごし、表面が乾かないようにレモン果汁を回しかけます。

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熱いシロップを、泡立てながら卵白に注ぐことで生まれる、力強い泡で形成されるイタリアンメレンゲ。

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カスタードクリームとイタリアンメレンゲを合わせて、シブーストクリームを完成させます。
シブーストクリームを合わせる時の注意点は、カスタードクリームに混ぜ込んだゼラチンがゲル化しきってしまう前に。それに伴い、イタリアンメレンゲの温度も、泡立ちのボリュームのピークを迎えたところでミキサーから下ろして合わせるという、スピード感が要求されます。

出来上がったクリームはカードル(長方形の型)に平らにのしておきます。

シブーストの詳細はこちらからご覧いただけます

ビスキュイキュイエールシトロンの焼成

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卵黄と卵白をそれぞれ泡立てて、篩った小麦粉を合わせる、トラディショナルな薄焼きスポンジ。ビスキュイと称されますが、ふんわりとした焼き上がりは、特にシブーストの食感に呼応するカタチです。

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この生地の最大のウリは、レモンジュースを加えるということ。溶かしバターを合わせると、重たい質感になりがち。水分でしっとり感を引き出し、味わいにもレモンがきちんと感じられます。

クリームチーズとフロマージュブランのレアチーズ

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レアチーズというものの、泡立てた卵黄ベースのパータボンブを使用します。当然、卵黄の量は控えめですが、チーズのコクと旨味にきちんと寄り添える、味わいの厚みを付けるのが目的です。

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適度な塩気、チーズらしい味わいのクリームチーズはオーストラリア産のものを。
発酵香とほのかな酸味がきわ立つ、フロマージュブランをブレンド。
削ったレモンの果皮と、果汁を加えて、味わいを引き締める意味合いを強くします。

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やわらくしたチーズのベース。ゼラチンを合わせたら、泡立ったパータボンブ、ふんわりと泡立てたホイップクリームを合わせていきます。気泡を潰さないように丁寧に合わせることで、口当たりも幾分マイルドなレアチーズに仕上がります。

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シブーストクリーム、ビスキュイキュイエールを均したところに、レアチーズクリームを延ばして、再度ビスキュイキュイエールで蓋をします。画像から見て取れるように、生地はしなやかで弾力があります。ふんわりとしながらも、噛み応えもキチンとしたビスキュイは大切な構成要素の一つです。

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レモンとダブルチーズのミルフィーユ
。意図的に異なるテクスチャーのクリームを配しました。油分の少ないレモンのシブーストが先に口の中で広がりを見せます。その後にチーズのしっかりとした味わいが広がっていくのです。表面にはレモンカード(レモン風味のカスタードクリーム)を塗り広げています。レモンゼリーを添えることで夏らしいビジュアルを感じさせつつも、キャラメルがけして焼き込んだフィユタージュの歯ざわりと色艶も楽しんでいただければと思います。

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