レグリスとエピス。フランスで定番のスパイスを巧みに使いこなして仕上げるプティガトー

和栗とエピスのフレンチモンブラン

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フランス、ディジョンの伝統的なスパイスを効かせたパウンドケーキ、パンデピス。水から煮出したスパイスと、糖類、小麦粉を合わせて焼き上げるレシピは、もっちりとした独特の食感です。ここに宮崎県産の和栗のクリーミーなババロア、赤ワインで煮込んだいちじくを組み合わせた秋の味覚の新作です。

パンデピスと和栗で赤ワインに合う栗のお菓子を仕込む

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パンデピスの仕込みと焼成

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水とグラニュー糖にナツメグ、クローブ、ジンジャー、ブラックペッパーのスパイスミックスのキャトルエピス、シナモン、グリーンアニスシード、八角を加えて火にかけ香り立たせたシロップをつくります。

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一晩おいて、香りがしっかりとついたシロップを裏ごして、

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ふるっておいた小麦粉、ベーキングパウダー、重曹と混ぜ合わせます。

伝統的なレシピに添って、シンプルなスタイルそのままに中温のオーブンでじっくりと火入れします。粉に火を通すため、1時間ほどかけてゆっくりと焼くのがポイントです。

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和栗のバヴァロアを仕込む

グラニュー糖を擦り合わせた卵黄と温めた牛乳を合わせて火にかけ、アングレーズクリームを炊き上げ、ゼラチンを加えて溶かし込みます。

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西郷の栗ペーストに炊き上げたアングレーズの一部を加えてなめらかにしたら

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モミの木の新芽を蒸留してできた、リキュールドゥサパンを加えます。
モミの木のすっきりとした香り(針葉樹林、松の樹が一番イメージとしては近いと思います)を加えることでクリーミーでまったりとなりがちな味わいにキリッとした輪郭を与えてくれます。

スペイン産の小粒いちじくをパンデピスシロップで柔らかで香り良く煮込んでおきます。

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シロップをきって、細かく切り分けて絞り出したバヴァロアマロンに沈めていきます。パンデピスも切り分けてバヴァロアマロンの中に入れます。

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漬け込み用のパンデピスシロップをビスキュイショコラに軽く塗って、フタをします。

冷やし固めて型から外したら、ミルクチョコレートをスプレー掛けして、モンブランクリームといちじく、蒸し栗で飾れば完成です。

本来淡白な味わいの素材の栗を、お料理の白身魚に見立て、フランス料理で馴染み深いキャトルエピスとペルノー (香草系リキュール) で仕上げていくお料理からヒントを得て創作してみました。淡白と言われる栗の味わいですが、ここで使用している西郷の栗ペーストは、そのまま栗きんとんとして召し上がっていただいても存分にその美味しさを堪能できるものです。甘みでぼんやりとしないように、エピスの香りのチカラを借りて、しっかりとした栗の輪郭をつけます。そして、栗が樹成りである事から、同じ雰囲気の香りを漂わせるモミの樹を用いたリキュールを利用したこと。糖分の調整もあり、蜂蜜ではなく、リキュールをセレクトしましたが、例えば花の蜜の蜂蜜を用いたものをセレクトすると、そのフローラルなアロマの存在感が、栗の味わいから離れてしまう。どっしりとした味わいを形成することで、エピスの複雑さもより良い心地よさとなって味わいを印象づけてくれます。

フランスで定番の甘味料、レグリスと洋梨を組み合わせたキャラメルポワール

レグリスポワール

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漢方、甘味料でもお馴染みの甘草、レグリスと季節の果実洋梨を組み合わせたプティガトーです。

バヴァロアキャラメルポワールの仕込み

ここではキャラメルをフレーバーではなく、香り立たせる香料として組み合わせます。

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グラニュー糖のキャラメリゼ。

鍋を火にかけグラニュー糖を溶かしていきます。軽く煙が上がってくるタイミング。つまり砂糖が焦げ始めるところです。

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温めておいた洋梨のピューレをキャラメルに注ぎ入れて、キャラメルクリームにしたら、卵黄と合わせてアングレーズクリームのように煮上げます。

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残しておいた洋梨のピューレはシャーベット状に。フレッシュな風味も活かしておきたいことと、アングレーズクリームが早く冷える作業能率の向上にもつながります。

洋梨の風味を引き出すため、一般的な組み合わせはバニラの香りを加えることですが、ここでは洋梨の微妙なガス臭を取り除くことです。

キャラメルの味わいがしっかりとしすぎると洋梨のフルーツフレーバーが損なわれてしまうので、デリケートな焦がし加減のグラニュー糖で洋梨の味わいを引き出してあげる事がこのクリームでいちばんのこだわりです。

アングレーズクリームが冷えたらホイップクリームとていねいに合わせて完成です。
型に流し入れてキャラメル風味のアーモンドソフトスポンジでフタをします。

ムースショコラブランレグリスホワイトチョコレートとレグリスのムースです。

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レグリスパウダーと牛乳を火にかけてゆっくりと温めていきます。パウダー状のレグリスを溶かし込むようなイメージで加熱します。

沸騰したら火を止め、ゼラチンを加えて裏ごして

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あらかじめ溶かしておいたホワイトチョコレートにレグリス風味の牛乳を少量づつ注ぎ入れてガナッシュのように仕上げていきます。

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出来あがったガナッシュと泡立てたホイップクリームをふんわりと合わせます。

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キャラメルのソフトスポンジの上にレグリスクリームを流し入れます。

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土台のキャラメルスポンジにはアーモンドプラリネとミルクチョコレート、サブレフレークを合わせたクリスピー。ザクザクとした食感、二種類の豊かな風味と香りが楽しめる初秋の味わいをお試しくださいね

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