桃のケーキの新作は杏仁のビターな味わいとアーモンドのナッティな組み合わせ

桃の美味しい季節の到来ですね。
ペルシュの桃のケーキの新作は、杏仁豆腐で用いられる杏子の「仁」に注目しました。独特なビター香と、アーモンドのうまみ。そして甘い香りが漂うトンカ豆を桃のコンポートで使用しました。湯むきして皮をむいた桃を、スライスレモンを加えた爽やかなシロップでコトコト炊き込んで一晩寝かせることで、味わい豊かに、変色もせずに綺麗な状態で提供できます。丸ごとではなく、ジューシーな桃の味わいをいかに引き立たせるかがテーマの今回の新作をぜひお楽しみいただければと思います。

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桃、杏子、アーモンド、種子系を用いてペアリングを成立させる

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アーモンドのクランブルの焼成

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バター、カソナード、小麦粉、アーモンドパウダーを合わせて擦り合わせて、そぼろ状にして冷やし固めてから焼き上げます。

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焼き上げたクランブルには、パウダー状のプラリネパウダーを全体にまぶします。
プラリネの油脂分を全体に吸着させて、湿気止め。そして味わいの強化。二つの効果をもたらしてくれます。

トンカビーンのクレームパティシエール

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通常の製法に従い、カスタードクリームを炊き上げていきます。
香り付けで用いられるバニラの代わりに、ブラジル原産の種子、トンカ豆を使用します。
香りの特徴はズバリ、桜。クマリンと呼ばれる香り成分が、トンカ豆、桜、両方に含まれていることは立証されています。トンカ豆は香水の原料としても用いられていますよ。

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炊き上げたカスタードクリームには、フレッシュバターを加えておきます。しっかりと混ぜ合わせたら、水でふやかしておいたゼラチンも加えて溶かしてから、冷やしておきます。

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冷えたカスタードクリーム(概ね30度)に、泡立てた生クリームを加えてふんわりと合わせます。

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クレームレジェール。と言うよりは、あくまでカスタードクリームの延長。というふうに捉えています。
底に敷き詰めておいたクランブルの上に、クリームを絞り出しておきます。

アーモンドにビターな香りをブレンドする

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自家製ローマッセを仕込みます。
ここでセレクトしたのは、甘みのあるバレンシア種、そして杏子の仁、杏仁パウダーをブレンドします。
転化糖、水飴でシロップを作って注ぎ、加熱しながらペースト状にしていきます。

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加熱することによって、メイラード反応を促し、ナッツの旨みを引き出した美味しいペーストが完成するのです。

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甘みとビターな芳醇な香りが楽しい、アレンジの効いたマジパンローマッセの完成です!

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生クリームにはバニラの鞘を半分に割いて、種を取り出してから火にかけます。

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生クリームを沸かしてから、ゼラチンを加えて、溶かしておいたカカオバターに少量づつ加えて乳化状態に仕上げていきます。ゼラチン単独では、ゲル化による単調な口どけになってしまうのを回避するのと、チョコレートの柔らかい口どけを表現する油脂分、カカオバターでアーモンドのビターで芳醇な味わいの奥深さを構築するのです。

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生クリームとマジパンローマッセを合わせていきます。なめらかな口どけになるよう、きちんと少量づつ加えて伸ばし、ダマにならないようにします。

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泡立てたホイップクリームと合わせていきます。

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なめらかなビロード状のテクスチャを目指します。求める口どけの速度はゆっくり広がりのある。そんなリッチなイメージです。
トンカのクレームパティシエールのうえに絞り出します。

桃のコンポートを炊き上げる

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桃は完熟の状態になるまで室温で追熟して、氷水でしっかりと冷やしてから湯むきします。

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火脹れさせるイメージです。氷水にくぐらせて、半割りにして種を取って薄皮をむきます。

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鍋には水、グラニュー糖、オーブンでローストしてから砕いたトンカビーンを一緒に火にかけたもの。
ここに湯むきした桃を入れて一煮立ちさせてから一晩かけてコンポート状にします。

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硫酸紙をかぶせて1日寝かせておいた桃を取り出して

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グラニュー糖とアガーを混ぜ込んで、トンカの香りのジュレに仕上げます。

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レモンの爽やかな酸味、トンカのほんのりとした甘い香りが移った桃の果肉、ジュレをセットします。

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ゼラチンベース、ピーチリキュールを加えて香り付けたジュレをそっと流し入れて、冷蔵でしっかりとゲル化させます。

ピーチィ、クリーミーな食感のピーチパフェ。その方が簡潔な表現かもしれません。
季節の完熟白桃、ぜひ楽しんでみてくださいね!

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