サワーチェリーのクラフティとピスタチオで味わう極上な季節のタルト

サワーチェリー。sour、酸っぱいと言うだけあって、生食用としては不向きです。
製菓材料としてしばしば耳にする、グリオットチェリー。サワーチェリーのフランス語呼称です。
なかなかお目にかかれない、サワーチェリー。昨年、仲良くさせていただいてる方から御厚意でいただいたことが始まり。今年はまとまった量を仕入れて。とは言いつつもやはり数量は少ないですが、長野県小布施町から届いたサワーチェリーで丁寧に仕込んだ、ピスターシュと小布施サワーチェリーのクラフティを紹介します!

なお、気になるサワーチェリーの販売元を紹介したいと思います。平松農場さん。こちらから

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伝統的なさくらんぼのタルト、クラフティスリーズ

clafouti。古典菓子でもよく耳にする、プリンの前衛的存在。フランスではその土地で採れる果実を入れて焼き上げるものが数多く存在し、チェリーのクラフティ。といえば、お菓子づくりが好きな方なら必ず一度は聞いたことがある名前ではないでしょうか?このクラフティを土台に、希少なサワーチェリーのポテンシャルを引き出していきたいと思います!

アパレイユフランの仕込み

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フラン生地。小麦粉やコーンスターチなどを加えて仕込む生地で、クレープの生地に似た構成です。
ここではプードルフランを用いてますが、グラニュー糖と粉をよく混ぜ合わせてから卵黄と軽くすり合わせ、牛乳と生クリームのミックスを少しづつ注ぎ入れて、裏ごした後一晩冷蔵庫で休ませたものを使用します。

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サワーチェリーは軸を取り除いて半割りして種を取り除き、から焼きしたシュクレ生地に流し入れます。
フラン生地は、クレープ生地のようにグルテンのコシを必要としないため、さっくりと混ぜ合わせるだけに止めておきます。

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上火を200度に設定した、高温のオーブンで焼成していきます。
生地はプリンのような液状なので、粉のチカラを借りて、サッと焼き上げることがひとつ。もうひとつはクッキーの生地に液体が染み出ないようにするための高温で早い焼成ですが、高温すぎるために入りやすい”素”を抑制することです。焼き上げたタルトは室温でゆっくりと熱を抜いていきます。同時にサワーチェリーにはゆっくりと火が通り、「ミキュイ」、すなわち果肉に半分ほど火が入った状態です。

さくらんぼのお酒、キルシュとも好相性のピスタチオ

ムースピスターシュの仕込み

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アングレーズベースを炊きます。
牛乳とピスタチオのペーストを一緒に温め、グラニュー糖とすり合わせた卵黄に注ぎ入れて火にかけます。

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ゴムヘラを用いてゆっくりと加熱。温度計でキチンと殺菌温度に達するのを確認します。

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ゼラチンを加えて裏ごしたら、溶かしておいたホワイトチョコレートに少量を注ぎ入れながら、乳化状態に仕上げていきます。

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ピスタチオは油分が多いので、キチンとした乳化が必須です。つややかなガナッシュ状に仕上げ、ハンドミキサーでより良い結晶化を促します。そして、このガナッシュにはさくらんぼのリキュール、キルシュを加えて風味をより豊かなものにします。

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加えるホイップクリームは、低脂肪ですが、しっかりと泡立てたものを加えます。

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ミキシングはゴムヘラで。ホイッパーで混ぜるのは目に見えない脂肪分の粒子が分離することが考えられること、そしてあらかじめふんわりと空気を含ませておいたホイップクリームの気泡を潰さないように混ぜ込むことで、重くなりがちなチョコレートクリームの食感を軽く仕上げる意図、これらふたつが、特徴的なオペレーションの大きな理由として挙げられます。

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ムースショコラピスターシュは、冷やし固めてから、ホワイトチョコレートのグレーズ、ピスタチオのグレーズをそれぞれ上掛けして、クラフティの上に添えます。
デコレーションにはアメリカンチェリーを使用していますが、クラフティの中にはぎっしりとサワーチェリーを詰めています。本当に贅沢な、自然の恵みに感謝と敬意を称しての提供です。

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