ルビーチョコレートを主役にした春色チョコレートのムース

ルビーチョコレート
バレンタインシーズン限定で、パリブレストショコラでも採用したルビー色が鮮やかなチョコレート。
パリブレストショコラの詳細はこちらからご覧いただけます
そもそも最初にこのチョコレートを口にした時から、春向けな印象は強く感じていましたが、まずはこのチョコレートについて少し触れていきたいと思います。
 

 

ルビーカカオ豆はブラジル、エクアドル、コートジボワールなどカカオ産出国で育ちます。カカオ豆がルビーカカオ豆かどうかは、種類や原産によって決まるのではありません。カカオ豆にルビーカカオ豆の特徴をもたらし、ルビーの色と味を引き出す前駆物質が自然に存在するものがルビーカカオ豆なのです。

要するに、特殊な方法でルビーカカオ豆の選別のノウハウを見つけ出し、製品化できた。というのが新しいチョコレートの誕生という事のようです。
ブロンドチョコレートのように、粉乳の加工により産まれた味わいではなく、自然に存在するカカオ豆の中から、そのフレーバーを探し当てた。という事が大きな違いのようですね。

カカオ分32%、乳固形分26%、砂糖35%、成分的にはミルクチョコレートと同等のようです。

コイン状にコンチングされたそれを食べた時、ラズベリーを強く印象付けるフレーバーが広がり、喉を通るとミルクチョコレートの味わいが現れる。顕著に味わいがはっきりとふたつに分かれる珍しい食べ物でもあります。ふたつの味わいが同時に存在しているといった面でも非常に面白さのあるチョコレート。その色合いから想像にも容易い、ベリーとの組み合わせと、チョコレートらしさを引き出して完成したムースショコラを、今回は紹介します。

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ルビーチョコレートで作るチョコレートムースとその組み合わせ 

多彩な表情を持つ、ルビーチョコレートのフレーバーを損なわないように、ムースショコラアレジェをベースにレシピを組み立てます。
ところでこのムースショコラの語尾に付いてくる、アレジェ/allégéeってどんな意味?
この単語、フランス語では低脂肪という意味なんです。

クラシックなレシピではアングレーズベースとチョコレートを合わせて、泡立てた生クリームを合わせるのがセオリーでしたが、卵黄、生クリームや牛乳が加わることで、どっしりとした濃厚な味わいになってしまいがち。
牛乳を温め、ふやかしておいたゼラチンを入れて溶かしたものを、溶解しておいたチョコレートに注ぎ入れ、ガナッシュ状に仕上げます。チョコレートに水分が多量に入るため、乳化作業は必須ですが、この水分をホールドする目的でゼラチンを加えるのです。

ムースショコラアレジェは、カカオ分の高いブラックチョコレートにも有効で、糖分に影響されがちなハイカカオチョコレートの場合においても乳化させやすいメリットがあり、糖度を控えたムースショコラを作る場合でも汎用性が高いと言えます。

ガナッシュは極度な冷却をしないよう、ゼラチンのゲル化を促してから十分に泡立てたホイップクリームと合わせます。

いちごとラズベリーのフルーツクリームを埋め込んでから、ミルクチョコレートでコーティングしたヘーゼルナッツとカカオのクランブル、チョコレートのビスキュイで蓋をします。

ルビーというジュエリーな響きには、煌くジュレが不可欠。
レッドローズペタルを煮出して、寒天ベースのゼリー液を作ります。

5分ほど抽出したら、グロゼイユのジュースと静かに混ぜ合わせてルビー色に染め上げます。このふたつの食材の組み合わせも、ルビーカカオをイメージしたペアリングからインスピレーションを得て作りました。

断面は御覧の通り。
土台にカカオ分の高いパーツをセットする事で、ルビーチョコレートのもうひとつの味わい、チョコレートそのもののフレーバーを引き出す役割もあるのです。
ホワイトチョコのホイップクリームを絞り出す事でミルク感を、底にカカオを配置する事でチョコレートらしい存在感、当然食べ進めていく中で主体になる味わいはベリーミックスとのコラボレーションです。

ルビーカカオと紅い果実のロゼッタ

非常にまとまりのよい、バランスの取れた味わいに仕上がったのではないかと自負しております。今トレンドの第4のチョコレートと呼ばれるルビーチョコレートの味わいを体感してみてはいかがでしょうか?

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