ベリーダンスイベントのテーマに沿ったコンセプトデセールの話

今回、ペルシュのコンセプトスイーツをイベント限定にて提供する運びとなりました。そのイベントというのが、ベリーダンスショーとスイーツを楽しむ秋の夜。

数あるベリーダンスの「型」とも呼べる、エジプシャンダンススタイルであることをモチーフに、エジプトというビジュアルとスタイリング。ピラミッド型とゴールドの色合い、そして古代エジプト文明で有名なクレオパトラ。彼女が愛したと言われるバラの精油を取り入れつつ組み立てた、まさにこの日のためだけにお披露目するスイーツです。

そして、このコンセプトスイーツの根源には、フードペアリングの実践で培ったコスタリカ産トリニタリオ種のミルクチョコレートをメインに組み立てることです。共通するアロマ因子を組み合わせる。香りの相性の良さを科学的に図解している、フードペアリングでは、思いがけない組み合わせもいわば化学の観点から食の可能性を模索できるツールとして確立されていますね。

*フードペアリングについてはこちらから

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ミルクチョコレートとローズを美味しく組み合わせる

ちょっとロジカルな話に陥らないように。ローズのアロマと相性が良いとされる、パッションフルーツ。マロン。それらをつなぐメインの食材がミルクチョコレート。単一品種カカオのコスタリカ産のものが、ローズと相性が良いことがセレクトの要因です。構成が多くて複雑に感じてしまいがちですが、色合いや全体のバランスを配慮して組み立てたので順を追って説明します。

ミルクチョコレートのビスキュイとサブレクランブル

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コスタリカ産ミルクチョコレートはあらかじめ溶かしておいて、30度程度に調整しておきます。これと柔らかくしておいたフレッシュバターを合わせて、ガナッシュのように仕上げたら、卵黄を加えて泡立てたメレンゲと混ぜ合わせます。

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ふるっておいた薄力粉をていねいに混ぜ合わせます。生地の状態は、別立てで仕込んだパウンドケーキのようです。

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紙を敷いた天板に生地を延ばして、下天板をした高温のオーブンで焼成します。

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クランブルのミックスは、ヘーゼルナッツプラリネパウダーと、パッションフルーツのクリスピーを一緒に。
プラリネの油脂分でコーティングして湿気りを防ぎ、食感を持続させつつ、噛みしめることでパッションフルーツの酸味が時折広がる構成。プラリネパウダーのより詳しい説明についてはこちらから

ケーキを楽しむ際に欠かせない要素。ペルシュでは土台となるビスキュイなどの「生地」と呼ばれるパーツを、味わいの要ともなる、クリームより重要視しています。もちろん、味わいを構築するのはお互いのバランスがうまくまとまらないと、当然崩れてしまうわけですが。

パッションフルーツカードを炊き上げる

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レモンカード。レモンカスタードクリームを応用して、パッションフルーツのジュースで同様に炊き上げていきます。グラニュー糖と全卵を擦り合わせたものと、温めておいたパッションフルーツのジュースを合わせて火にかけます。強火にかけて、ふつふつとするまでホイッパーでしっかりと焦げ付かないように混ぜ合わせます。

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炊き上がったら裏ごして冷まし、40度程度のところでフレッシュバターを加えてスティックミキサーでしっかりと乳化させます。一晩かけて落ち着かせたクリームを、細い口金を用いて半球状に絞り出します。

ローズとミルクチョコレートのクリーム

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冷たい牛乳にレッドローズペタルを加えて、一緒に沸騰直前まで温めます。

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5分ほど蒸らし、香りを抽出した状態。水で戻しておいたゼラチンを加えて溶かしたら裏ごします。

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溶かしておいたコスタリカ産トリニタリオカカオミルクチョコレートに注ぎ入れながらガナッシュを仕上げていきます。

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ローズミルクを入れたガナッシュ。リキッド状に仕上がるので、このまま冷却させてゼラチンの結晶化を促してから

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泡立てておいたホイップクリームと混ぜ合わせます。

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クリーミーな仕上がりのムースショコラアレジェの完成。

ムースフロマージュブラン アラローズ

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爽やかな酸味。もっぱらヨーグルトにも似たフレッシュチーズのフロマージュブラン。イタリアンメレンゲとフレッシュクリームを合わせたムースを仕上げ

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型に絞り出したら、ローズぺタルジャムを適量絞り出して冷やし固めておきます。

組み立て

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ピラミッド型にムースショコラを絞りだしたら、フロマージュブラン、サブレクランブルをセットして、さらに少量のムースショコラを絞りだし

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切り分けておいたビスキュイショコラコスタリカでカバーして冷やし固めておきます。

パッションフルーツとマロンのクリーム

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マロンペースト、カスタードクリーム。しっかりと練り合わせてクリーミーな質感に仕上げます。

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パッションフルーツのジュースを加えて混ぜ合わせます。

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型抜きして、溶かしておいたカカオバターとホワイトチョコレートのミックスをチョコレート掛けします。さらに出来上がったマロンクリームを絞り出して、ベースとなる、エジプシャンのスイーツが完成です。

チョコレートのスフェールをデコレーションに取り入れる

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ステンレスの型に着色したカカオバターを、白色、黄色の順に塗りつけます。

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テンパリングしたミルクチョコレートを流し入れて結晶化させて、型から外し、穴を開けてからピラミッドにセットします。冷やし固めておいたパッションフルーツカード、レッドローズぺタルでデコレーションして完成です。

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断面からは、ローズコンフィが流れ出るソースのようなテクスチャーだということを確認いただけると思います。テラコッタカラーを意識しつつ、黄色をカラーリングに取り込むことで、エジプシャンな雰囲気がしっかりと出ているように思います。

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ミルクチョコレートの味わいが主体ですが、ローズの香りも優しく全体に広がります。香りが突出しないように構成しています。コンセプトを基に作り上げたオリジナルをお楽しみいただければと思います。

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