クリスマスフレーバーと呼ばれるノエルのコンフィチュール

令和最初のクリスマスシーズンの到来です。
クリスマスの楽しみ方も年々多様化してきていますが、伝統的なフレーバリングにおいてはやはり右に出るものはないかと思います。
クリスマス定番といえば、ペルシュではシュトーレン。シナモンを主体にした、スパイスの味わいがどのように受け入れられるかが最初は不安でしたが、今ではすっかり定着したことを嬉しく思います。
そこで今年は、クリスマスといえばやはり海外の文化ですから、コンフィチュールを用いてその味わいを長く楽しんでもらいたいと思っています。
また、くるみの収穫が本格化してきたので、冬支度にリッチな焼き菓子も一緒にご提案します。華やかさのないアイテム群ですが、最後までお付き合いください。

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くるみとキャラメルのヌガーを挟んだ焼き菓子

ガトーバスク

ヨーロッパの焼き菓子というのは本当に複雑で、地続きの大陸だからでしょうか。近縁する伝統菓子というのが多数存在します。
今回紹介するガトーバスクは、完全に亜流と言えるでしょう。むしろスイス生まれのエンガディナーが今回紹介するお菓子としては近いと思います。
ちなみに本家のガトーバスクはさくらんぼジャムを挟んだものだそうです。

ガトーバスクの参考出典リンク(外部)
エンガディナーについて、同様にリンク貼ります

くるみのヌガー

グラニュー糖、水飴を共に火にかけて溶かし、キャラメルにします。
あらかじめ生クリームに削ったオレンジの表皮を加えて温めておき、キャラメルの色止めとして注ぎ入れます。

無塩バターを数回に加えて、その都度乳化させるように中心部分から力強く混ぜ合わせます。

ピレネー山脈の岩塩、ベアルヌの初摘み塩を加えます。パッケージにはバスクのローブリューが描かれています。
軽くローストしておいたくるみを加えて、キャラメルが熱いうちに棒状に伸ばし、冷え切る前に切り分けておきます。

パートバスクの仕込み

バター、粉糖、卵、薄力粉、アーモンド。シンプルな配合の、モロモロとした食感の生地。オレンジマーマレードを加えて風味を整えます。生地に空気を含ませないように、フードプロセッサーを用いてミキシングして生地を仕込んでおきます。

出来上がった生地を型に絞り出して、切り分けておいたヌガーを埋め込み、再度生地を詰めたら塗り玉をして焼成。
オーブン炉内の熱伝導でゆっくり火を通し、生地全体の圧がヌガーに伝わるように、少し低い温度でゆっくりと焼成するのがポイントです。

焼きたてよりも2〜3日置くことで、パートバスクのクッキーとパウンド生地の中間のような食感、キャラメルリッチなくるみのヌガーや、オレンジの香りなど素材の美味しさ旨味が全体に行き渡ります。

 

ドライフルーツたっぷり、冬のコンフィチュール

ノエルのコンフィチュール

クリスマス=ノエル(Noël)のコンフィチュール(confiture)、ということで、今年新たに店頭に準備したクリスマスシーズンのジャムの紹介です。
コンフィチュールの楽しみ方は、日本とヨーロッパでは異なることが多く、一番の違いといえば、料理の付け合わせなどにコンフィチュールを食べる。ということではないでしょうか?
ノエルのコンフィチュールはおそらくその典型と言えるかもしれません。
トビラの画像では、白カビタイプの山羊チーズ(スペイン産ルーロデカブラ)と、バスクチーズをセッティング。タンニンのボリュームがある、ピノノワールなどの赤ワイン、スタウトのようなビールでも美味しく楽しめそうです。フランス、パリではフォアグラといちじくのコンフィチュールを食べ合わせることが定番。

ジャムの妖精として名高い、クリスティーヌ・フェルベール氏のレシピを参考に仕上げます。

マルメロでジュースを作る

かりんの近縁種、マルメロは小布施町から届いたものを使用します。独特の甘い香りが特徴ですが、生食には向かないので、お酒やはちみつに漬けて楽しむのが一般的。まずは皮を剥いてくし切りにしておきます。

果肉に対して倍量の水を入れて、落としぶたをして小一時間ほどゆっくりと火にかけて、マルメロ風味のジュースをとります。

マルメロの茹で汁は捨てずに、さらに果肉は画像のようにガーゼで包んで強く絞り出してエキスを抽出しておきます。

ドライの洋梨を、細長い棒状に切り分けて準備したら

温めておいたマルメロジュースに一晩漬け込んでおきます。この時マルメロのジュースと一緒に、ふじりんごのジュースをブレンドしておきます。

アプリコット、いちじく、プラム、種を抜いたデーツも同様に棒状に切り分けておき、準備します。

漬け込んでおいたマルメロと戻した洋梨を、切り分けておいたフルーツに戻します

レーズン、オレンジとレモンのコンフィ、果皮と絞ったジュースも加えて

糖度、とろみ加減を見ながらグラニュー糖を加えていくのがペルシュ流。徐々に糖度をあげることで好みの甘みに仕上げることができ、砂糖のアクが出ることも抑制できるのです。

刻んだアーモンド、くるみを生のまま加え、クリスマススパイスに欠かせないシナモン、コリアンダー、カルダモン、アニスのパウダーを加えてさらに煮込み、ナッツ類に火が通ったら完成です。瓶詰め殺菌を経て、完成です!

英国生まれのミンスパイは、ノエルのコンフィ同様の材料で仕込んでいます。
毎年ペルシュのクリスマスに欠かすことのできないアイテムとして定着した、シュトーレンもスパイスミックスの風味が美味しさの鍵を握っていると思います。

ノエルのコンフィチュールでは、洋梨とデーツの舌触りに個性がありますし、マルメロとりんごのフルーティさも、どこかコンフィチュールらしさを漂わせるから不思議です。

シュトーレンの詳細はこちらから

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