2021年ペルシュ新作クリスマスケーキ、ホーリーナイトの紹介です

2021年度版、ペルシュさんの新作クリスマスケーキを紹介させてください!

「クリスマスには毎年新しいコレクションを必ず発表する!」

それは自分にとって、お菓子をつくる当店スタッフにとって、当店を御贔屓いただいている、そして今このページをご覧いただいてる皆様にとって。
驚きや、ワクワクや、期待感やいろんなプラスの要素につながっていく様に一年に一度の特別な日の為に。そんな願いが込められている事実を冒頭から述べてしまいます。汗。

毎年必ず!という、自分に課した課題はどれほど遡ると良いのか記憶にないほど、ずっと続けていることです。
そして好評いただいた作品は毎年のレギュラーに。けれども残念ながら。なんて子も居たり、食材として入手が難しくなってしまったせいであったり。嘆かわしい現実もある訳です。

いろいろとありましたが、見た目に華やぐ想像に難しくない、要するに王道である。というのが、長年いろんな提案をさせていただいた中で感じた事であるのですが、それらの要素がクリスマスケーキの好みとして受け入れられる様に感じます。

今年は前々から温めてきたビジュアルと、日々のお菓子づくりから気になっていた食材同士のつなぐ、ペアリングのポテンシャルに対する飽くなき実験的要素も取り入れながらの秘蔵っ子、ホーリーナイトです。当然ながらの数量限定でのお渡しとなりますのでぜひお早めに!

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クリスマスリースを模した真紅の限定デコレーション

フルーツのキャラメルクリーム。

前々から注目していたフルーツ同士の組み合わせを今年の夏に試すことができたのですが、それはいちごと白桃をペアリングすることです。
クリスマスシーズンで最もポピュラーで、かつ王道な組み合わせのいちごとラズベリー。自分のイメージする、親和性のある、フレンドリーでやわらかく、丸くやさしい印象。ベリー類特有の酸味ではなく、心地よい、重たくないキャラメルソースがこのアントルメの絶対的な存在である必要がある訳です。そこに重たくなり過ぎない要素に加わったのが果実の軽やかさ、つまりフルーツピューレ。という訳なのです。

はちみつを加えます。ローズマリーの花から採れたすっきりとした香りが、果実感を引き立たせます。

別の鍋でグラニュー糖を火にかけ、べっこう飴の色合いになるまで注意深く焦します。決して色づき過ぎないのがポイント。焦焙性ではなく、甘みにコクが増す。というのがキャラメルに対するペルシュスタイル。という流儀です。焦がす、というニュアンスとは少し違った表現なのかもしれませんね。

生クリームを注ぎ入れて、キャラメルの色が最適の状態での色合いになる様に色止めします。

生クリームには予め荒めに砕いておいたカンポットペッパーを加えて香りを抽出しておきます。カンボジアの限定地域でとれる”世界一美味しい”といわれるブランド胡椒。農薬や化学肥料を使わない伝統農法で栽培されています。
さらに、カンポットペッパーの白胡椒は、漂白剤を一切使わない自然の色合いです。完熟した胡椒の表皮を手作業でていねいに取り除き、天日で乾燥させました。シャープで雑味のない味が特徴です。キレのある風味は辛みというより、むしろ果実感すら感じさせてくれるのです。この工程の多さ(手間ひま)がその希少価値をより高めている所以です。
決して胡椒の風味が主役ではなく、引き締め役でありながら、嫌味のない存在。まったりしがちな果実の印象に輪郭も与える役割を担います。

炊き上がったキャラメルクリームは一旦シノワで裏ごして

フレッシュバターをたっぷり加えてきちんと乳化させます。リッチな油分が分離状態では口溶けも喉越しも不快になってしまいます。

 

キャラメルバターとフルーツピューレを合わせ、再度乳化状態に仕上げます。
出来上がったキャラメルは荒熱をとり、一晩かけて結晶化させて使用します。

フルーツのムースリーヌ

キャラメルクリームとの親和性を満たす為、ここでもいちごと白桃のブレンドのフルーツクリームを採用。極力シンプルなフルーツムースに仕上げる為、ゼラチンでの凝固、ホイップクリームを合わせる程度に留めます。

フルーツのムスリーヌをシリコン型に絞り出し、さらにキャラメルクリームを注入する様に絞り出します。
果実感プラス、キャラメルのボリューム。

こういった仕上がり。すでにソワソワしちゃう、訴えかけるほどの何かを纏ってませんか?

キャラメルってチョコレートに負けじと劣らず、スイーツの王道感を直走っていますよね?

 

 

ムースショコラの仕込み


アングレーズクリームがベースのムースショコラですが、ここにもキャラメルのニュアンスを加えています。
前述のキャラメルフルーツクリームのオペレーション同様、牛乳(フレッシュクリーム)と焦がしたグラニュー糖を合わせたキャラメルミルクと卵黄をすり合わせて、殺菌温度に達するまで煮上げます。

溶かしておいたチョコレートにアングレーズクリームを注ぎ入れ、ここでも乳化状態を保持する様に混ぜ合わせます。

セレクトしたチョコレートはDOMORI社アリバミルク。カカオ50%のハイカカオミルクチョコレート。タブレットの状態で口に含むとすごく穏やかな印象。ナシオナル種の持つアロマの特性、ラズベリーやアプリコットのニュアンスは、ノワール(スイートチョコ)に比べると大人しい様に感じますが、これらのフルーツの酸を含ませることでミルクチョコレートらしい、ミルキーなアタックに変化するフレーバーが楽しいですね。

余談ですが、ペルシュのマカロンフランボワーズにもこのチョコレートを採用しています。ラズベリーの突出した嫌味はなく、クリーミーなニュアンスさえ感じさせるフルーツガナッシュに仕上がっています。アリバミルク。という特別なチョコレートの美味しさをお試しいただくチャンスは実は身近なところに!

艶やかで「ガナッシュ」に粘りのある状態が乳化のサイン。
チョコレート本来の美味しさとポテンシャルを味わうために必須の工程です。

泡立てたホイップクリームと合わせます。
特にムースショコラの場合、チョコレートの乳化状態をキープして仕上げる場合、カカオバターの融点状態での作業ともなると、生クリームとの温度帯が合わなくなります。ホイッパーを使っての作業は分離を引き起こす(目視では判りづらい)ので、ゴムヘラで作業する様にしています。

ふんわりではなく、なめらかに溶け出す。キャラメル、カカオの風味がゆっくりとほどけていく。味わいのイメージはこの様な感じです。

型にはムースショコラを流し入れて、キャラメル入りのムースリーヌを埋め込み

ミルクチョコレートで全体を覆ったクランブルカカオ

ミルクチョコレートとアーモンドプラリネ、サブレフレークを合わせて溶かしたクリスピーとチョコレートのビスキュイを底部分にして蓋をします。

 

真紅を纏う全体を覆うのは色付けしたホワイトチョコレートで。

チョコレートケーキ。という重たいニュアンスはあまり強くなく、ついつい手が伸びてしまう。そんなフレンドリーな味わいをお届けいたします。

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