父の日にアペロなショコラとリキュールのスイーツをお届けします

MORIN、Rio Ené

ペルー産カカオのブラックチョコレート。
この素晴らしいショコラをテキストとして自分なりに表現すると、下記の通りです。

口に含んで最初に感じる、チェリーのような赤い果実の濃厚な甘み。そこにブルボンバニラのスイートなバニリンのアロマ。口の中でゆっくりと溶けていくにつれて、カカオらしい重厚さ、そこに付随してくる酸味は赤いベリー、特にラズベリーのようなフレッシュな酸味でもあります。ノートエンドにかけてローストしたアーモンドのような甘みと旨みが改めて口に広がり、このカカオのポテンシャルの高さを存分にうかがい知ることができます。

このように、ひとつのショコラを紐解いて、味わいや香りを詳細に分析して上で食材と組み合わせていく。ペアリングの作業を意識することで、より味わいの深みを表現することが可能になったような気がします。

そして、アペリティフを彷彿させるような、楽しみな要素を含んだケーキを父の日向けに作りたい。
若干のアルコールを含んだ、女性でも男性でもシェアできるような味わい。
サバラン(ババ)の、ラム酒たっぷりのアルコールリッチでちょっとチカラ強いイメージを抑えつつ、ワインのようにスイスイ行けちゃうような気軽さ=アペロを感じさせる、ちょっと特別なヴェリーヌを組み立てました。
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ババオゥカカオロゼ
ダークチェリー、ラズベリー、カカオ、ロゼワインを巧みにペアリングさせて完成した新作をお楽しみくださいね。

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サバランを土台に、アペリティフなショコラのヴェリーヌを構築する

チェリーとラズベリーのコンポート

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冷凍のグリオット、ラズベリー、バニラ、レモン果皮を火にかけて、果汁が出てくるまで加熱したら

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ペクチンとグラニュー糖のミックスを加えて、アマレナチェリーも加えてさらに煮込みます。果肉がクタクタになるまでじっくりと火を通して、凝縮した味わいに仕上げます。

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チェリーリキュールを仕上げに加えれば出来上がり。
炊き上げたコンポートは熱を取っておきます。

ムースショコラアレジェの仕込み

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牛乳と溶かしたチョコレートを合わせてガナッシュを仕上げ、泡立てたホイップクリームを合わせる。シンプルな構成で、チョコレートの味わいもストレートに表現出来るスタイルに仕上げました。

温めた牛乳にあらかじめ水で戻しておいたゼラチンを加えて溶かし、チョコレートに注ぎながら乳化状態をキープして仕上げていきます。

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牛乳がたくさん含まれるソフトなガナッシュなので、冷却して多少ゲル化を促してからホイップした低脂肪生クリームと混ぜ合わせます。

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チョコレートと乳。いたってシンプルな構成。カカオの持つ味わいを邪魔しない、さっぱりとした味わいとも言えます。

サバランのシロップ

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バニラの鞘を加えて沸騰させたシロップを、ラズベリージュースに注ぎ入れて

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あらかじめ焼き上げておいたサバランをシロップに潜らせます。
この時のシロップの温度は80度程度をキープしておきます。

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シロップをしっかりと吸ったら、グリルに移します。グルテン形成とイーストの網目構造をきちんと形成したサバラン生地は、シロップをきちんと吸い込み、保持した状態を保ちます。

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概ね二倍ほどに膨らんだサバラン。

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生地をくぐらせたシロップに、チェリーリキュールを加えて、アルコール分を追加します。

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アラキュイエール。スプーン一杯分のシロップを、グラスにセットしたサバランに回し入れます。

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炊き上げて冷やしておいたチェリーとラズベリーのコンポートをサバランにセットして、ムースショコラアレジェをセットします。

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ロゼワインのジュレ。

水とグラニュー糖を合わせてシロップを沸かし、アガーを加えて混ぜ合わせます。
そこへロゼワインを加えて、ジュレを仕上げます。このまま冷蔵で冷やし固めます。

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サバラン型で仕込んでおいたムースショコラアレジェのくぼみ部分に、ロゼワインのジュレを添えて、フレッシュのダークチェリー、ラズベリー、チョコレートのディスクを添えて完成です。

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ショコラの味わい、2種類のフルーツの味わい。ジューシーなサバラン。
シロップをたっぷりと含んだみずみずしい味わいは、ジュレでは再現できない部分でもありますね。
ロゼワインのキリリと冷やした味わいからは、ラズベリーやクランベリーの甘酸っぱい酸味を感じ取ることができます。うんと冷たく冷やしてから、このヴェリーヌを味わってください。素材本来の美味しさがどんどん広がっていくのをぜひ感じ取っていただければと思います。父の日に、オトナなスイーツシェア。というのも新しいスタイルかもしれませんね。

ペルシュホームページ内関連リンク;
サバランについての製法はこちらからご覧くださいね

ラズベリージュースの製法はこちらの記事を参考にしてください。

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