アジアンスイーツの融合とフレーバーオイルで軽やかさを打ち出したパウンドケーキ

宮崎県産マンゴー。
すっかり高級フルーツとしての地位を確立したのは、完熟したものだけを提供し続けてきた結果とも言えると思います。この国内産マンゴーで仕込むマンゴプリンは、色合いは若干ライト。しかしその味わいはやはり納得の仕上がりです。昨今のマンゴースイーツ人気でも一線を画す味わいではないかと思っています。そして今回は同じアジアンスイーツの代表格、杏仁豆腐をベースにした杏仁ムースを組み合わせての発表です。

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マンゴプリンと杏仁豆腐、アジアンスイーツをコラボさせる試み

杏仁ムースの仕込み

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杏仁霜、グラニュー糖、牛乳を合わせて火にかけて温めたベースに、ゼラチンを加えて、アマレットを加えて風味付けます。ゲル化させたら、ふんわりと泡立てた低脂肪ホイップクリームと混ぜ合わせます。

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仕上がったムースはとろりとした仕上がりに。
器に分割して冷やし固めます。

宮崎県産マンゴーのスイーツを仕上げる

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冷やし固めた杏仁ムースの上にはマンゴープリンを流し入れます。
マンゴープリンの製法の詳細はこちらからご覧いただけます

マンゴーコンポート

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ジンジャーコンフィ。辛味は穏やかですが、生の生姜ではなく、砂糖漬けしたものを用いることで雑味のない味わいを取り出します。

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みじん切りした生姜のコンフィと、マンゴーのジュース、グラニュー糖とペクチンを合わせて火にかけてふつふつとするまで煮立たせます。ペクチンを使うことで、ジャムのようなぷるんとした食感に仕上がります。

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少し大ぶりに切り分けた果肉を加えて、そっと混ぜながら再び煮立たせれば炊き上がりです。

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色合い鮮やか、味わいもぎゅっと濃縮されたマンゴーコンポート

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マンゴープリンの上に広げて。グレーズのように仕上げます。

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食感のアクセントにはこんがりと焼き上げたサブレとホワイトチョコレートをからめて。

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チョコレートが結晶化する前にジンジャーパウダーを合わせ、ここでも生姜を主張させるのではなく、甘味を引き締め、コンポートとの味わいの紐付けを意識した構成です。

マンゴーの果実味に意識を向けていただくのはもちろんですが、杏仁のビター香が引き立つことにもぜひ注目しながら食べ進めてみてくださいね。

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*杏仁霜についてはこちらから確認いただけます。

フレーバーオイルで焼き上げるパウンドケーキ

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ケイクオランジュドォル

夏向けに「軽やかな」味わいと、喉越しの良さが特徴のパウンドケーキを焼き上げました。
その特徴は何と言っても自家製フレーバーオイルを用いて仕込む生地です。香料を使わず、どっしりとしたリッチな味わいのバターを、植物性オイルに変えれば、硬くなってしまうパウンドケーキもふんわり感が増します。その詳細をまとめました。

オレンジフレーバーオイルを準備する

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皮を剥いて、白ワタを取り除いたオレンジの表皮。オレンジ果汁と、キュラソーを加えます。(ここではアルコール度数60°のコアントロー) ラップをして一晩かけて果皮を柔らかく戻します。

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翌日、ひまわりオイルを加えて湯煎にかけ、温めながらオイルに香りをゆっくりと移していきます。このプロセスでは温めながら、漬け込んだアルコール分を飛ばす作業も兼ねています。

*レモンとバーベナオイルの製法もご覧いただけます。こちらから

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オレンジマーマレード、タルト用アーモンドクリーム、カスタードクリームを合わせ、はちみつと転化糖でしっとりとした食感を生み出します。クレームフランジパーヌをベースに考えたレシピ構成。玉子、グラニュー糖を合わせてミキシングします。

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溶かしバターとオレンジオイルを合わせて、生地に流し入れるパータケイクスタイルで仕込んだ生地は、型に分割して

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ぷっくり、こんもりと焼きあがったケイク。型から外して

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粉糖、オレンジゼスト、オレンジジュースを合わせたグレーズをケイクの表面に塗り広げて、高温のオーブンで透明感が出る程度に火入れして取り出します。

cake l'orange d'or

さっくりとしたグラスの歯ざわりから続く、ふんわりと柔らかい食感。
香りのタッチは穏やかながら、続くその持続性は体温と馴染み融和していくにつれて感じ取れる、ひと手間が成せる術なのです。

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